歯と顔のいい関係
男女を問わず現代人が理想とするのは小顔。人気アイドルはもちろん、今の若者を見ると一昔前より明らかに顔が小さくなったようです。その原因は、戦後、日本人の食生活が急激に変化したことに尽きます。ハンバーグやパスタなど、咬まずに飲み込んでも大丈夫なくらい柔らかいメニューが増え、食事時間も短くなったために、かむ回数は激減しました。
下顎を動かす咀嚼筋が発達しないとあごは小さくなり、さらに歯を支える歯槽骨も退化します。歯の大きさは変わらないので歯並びは悪くなり、必要な歯が生えてこない場合も。咀嚼能力が低下すれば基本的な消化吸収に支障をきたし、結果的には不健康な状態といえるでしょう。
欧米人の場合は、何世紀もかけて今の小さな顔に変化してきました。日本人が今経験しているのは数十年で数百年分の変化。色々な歪みが出るのは当然で、このままでは、歯のトラブルは避けられません。
歯と顔の関係は、顔が進化してきた歴史をたどると様々なことがわかります。まず顔の中で最初にできたのが口。その周りに鼻、目、耳ができ、それら感覚器官が集めた情報を処理するために脳ができました。
そもそも動物の口は食べ物にかみつきやすいよう、顔の前に飛び出しているのが特徴。また相手にかみついて攻撃する道具でもあったので、口自体が武器になるほど硬かったのです。しかし直立歩行を始めた人間は、食事や攻撃に手を使うようになります。人間の口は奥へと引っ込み、口周辺はやわらかく変化。口の周りを自由に動かせることで人間の顔には表情が生まれ、のどを使って多様な声を発することで言葉が生まれました。人間にとって口は食べるためだけでなく、コミュニケーションの器官にもなったわけです。あごが小さくなる弊害は身体面だけにとどまりません。口は考えや気持ちを伝えあう上でも重要な働きがあり、かむことは表現力や思考力の成長と大いに関係があります。つまり口の退化は、コミュニケーション能力の退化を意味するのです。
原島先生が仰有るには、「子供と大人の顔の違いは顔の上半分と下半分のバランス。上半分は子供時代とそう変わらず、大人の顔は鼻から下が大きくなっています。大人になることは顔の下半分が発達すること。現代人はその力が弱まっているといえます。」現代の小顔信仰は、社会全体が幼児化している象徴といえるかもしれません。
可愛らしさや優しさが求められる今の風潮が現代人の顔に反映されるように、顔は時代背景や生活環境、職業、考え方などによって驚くほど変わります。変えられるなら「いい顔」になりたいもの。
原島先生が提唱される「いい顔になるための13カ条」のベースには、次のような顔の哲学があります。
「いい人だなあと感じればその人がいい顔に見えてきます。顔は見る人と見られる人との人間関係の中に存在し、そして人から人へと伝わるもの。だから、自分がいい顔になることは、人にもいい顔をすることになります。」また原島先生はメディアが発信する顔のトレンドにあまり惑わされてはいけないと、と注意されています。TVの中の顔には自分との関係性がなく、人と人との間に本来つくられる顔の在り方は成立しません。一方的な情報を意識しすぎると自分の顔の個性が失われ、世の中は同じような顔であふれてしまいます。
いい顔の解釈は様々ですが、少なくとも量産できるクローン人間のような顔ではないはず。生き生きとした顔とは「人間らしい顔」であり、人間だけが持つ口の役割は決して軽視できません。いい顔になるにはい歯から。しっかりかむことは身体と心を豊かにする必須条件です。歯と口の健康を守ることは私達から未来へ課せられた使命といえるでしょう。
いい顔になるための顔訓13カ条
@自分の顔を好きになろう
A顔は見られることによって美しくなる
B顔はほめられることによって美しくなる
C人と違う顔の特徴は、自分のチャームポイントだと思おう
Dコンプレックスは自分が気にしなければ、他人も気付かない
E眉間にシワを寄せると、胃にもシワができる
F目と目の間を離そう。そうすれば、人生の視野も広がる
G口と歯をきれいにして心おきなく笑おう
H左右対称の表情つくりを心掛けよう
I美しいシワを人生の誇りにしよう美しいハゲをを人生の誇りのしよう
J人生の三分の一は眠り、寝る前にいい顔しよう
K楽しい顔をしていると、心も楽しくなる
Lいい顔、悪い顔は人から人へ伝わっていく |