口呼吸と鼻呼吸

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口呼吸が、いろいろと問題があることはよく知られてきています。
● 口や唇が渇く
● むしばになりやすい
● はぐきが赤く腫れる・出血しやすい
● 歯が尖って舌が痛い
● 大人はもちろん、幼い子供なのに口臭がする
● 入れ歯が舌にさわる、違和感がある
● リンパ腺が腫れやすい
● 風邪をひくと、喉が痛くて高熱が出て、長引く
● 唇がぼってり厚い
● 歯並びが悪くなる
これらの症状は、口で呼吸していることが原因です。
でも、「あなたは、口で呼吸していませんか?」とお尋ねしても、よくわからない方が多くいらっしゃいます。そんな方に対して、八木歯科では、最近、この方法で鼻呼吸の指導をしています。

八木歯科のメソッド
かっかっかっと言ってみましょう。連続してはっきり発音すると、っと言った時に舌の付け根が喉の後ろ壁にくっついて喉の通り道を塞ぐのが判るはずです。このかっかっかっは、専門的には軟口蓋音と言います。

軟口蓋音(なんこうがいおん)は、後舌を軟口蓋に密着または接近させて気流を妨げることによって作られる子音

IPA 名称
言語 正書法 IPA
ŋ 軟口蓋鼻音 日本語 あんがい(angai) [aŋŋai]
k 無声軟口蓋破裂音 日本語 かご(kago) [kaɣo]
ɡ 有声軟口蓋破裂音 日本語 がけ(gake) [ɡake]

出典:ウィキペディア

 

舌をこの位置に置くと口から空気が入りません。口をあけていても必ず鼻から空気が入ります。会話や食事以外の時間は、常に後舌をこの位置におくことを習慣付けるのです。この方法を習得すると、歯の治療の際、タービンから噴射される水を呑んだり、息を止めることもなくなります。とても、楽に治療が受けられます。

更に、この方法ですと、上前歯が反っていて口が閉じられない方にも適応できます。
鼻から呼吸すると、口で呼吸するのに比べ、肺が後ろ(背中)の方にも大きく膨らんでいっぱい空気が入ってくるのがわかります。食事以上に大切な呼吸ですから、是非、試してみてください。以上の説明でいまいちよくわからないけど、やってみたいなあと思う方は八木歯科へどうぞ。

睡眠時ブラキシズムのメカニズム

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(2011年2月日本歯科医師会雑誌よりの抄録
大阪大学 加藤隆史氏による)

 

歯科領域では、国内外ともに、正常な機能とはいえない咀嚼筋活動や上下歯が接触するような顎運動を総称してブラキシズムとしている。ブラキシズムは、顎関節症や口腔顔面痛・頭痛などとの関連だけでなく、補綴処置やインプラント治療で多くの問題を引き起こすやっかいな存在である。
ブラキシズムに関する文献は19世紀末頃から歯科系の学術雑誌に登場し始めた。そして20世紀中盤以降、歯科医学が発達する中で、ブラキシズムは咬合に因果関係があると想定されていった。なぜなら口腔に発現する症状は、当時は歯科医師が説明せざるを得なかったからといえる。
しかし近年、脳生理学・口腔生理学・睡眠医学の分野の科学的知見の集積に伴って、ブラキシズムの概念が変わり始めている。睡眠時ブラキシズムは、必ずしも咬合を起因とせず、中枢神経の活動によって引き起こされることが明らかになった。そして、睡眠時ブラキシズムを抑制・消失させる方法がないこと、それを前堤として歯科的処置を行う必要性が1960年代に提唱された。つまり歯科的にブラキシズムをコントロールするのではなく、ブラキシズムによって生じる「力」をコントロールするという考えにシフトした。その「力」は、個々の患者に応じたコントロールで、歯科が関わることの重要性はさらに増す。

 

1:ブラキシズムの分類

まず、覚醒・睡眠状態では、脳や身体の生理機能が異なっているので、わけて考える。
覚醒時は、習慣性かみしめ・口腔習癖・歯牙接触癖などをいう。
睡眠時ブラキシズムは、睡眠関連運動異常症に分類され「睡眠時に起こる歯ぎしりや噛みしめを特徴とする下顎の不随意運動」と定義されている。
また、中枢神経系の異常などの疾患を有する患者や薬剤を服用中の患者のブラキシズムは、疾患や薬剤が影響を与える可能性があるので健康な人と分けて考えるほうがよいと思われる。

2:ブラキシズムの発生率

欧米やアジアの調査では、睡眠時ブラキシズムの発生率は、小児で10~20% 成人では約5~8% 高齢者では 2~3%と加齢と共に減少し、男女差はない。
一方、覚醒時ブラキシズムの発生率は、小児から成人まで約20~30%であるが高齢者の充分なデータはない。

3:睡眠の生理とブラキシズム

夜に寝て朝起きるという一日のサイクルや、ホルモン分泌・体温も、概日リズムに決められている。睡眠も一定のサイクルが解明されている。大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」」の2種類がある。レムとはRapid-eye-movement-sleepの略で、急速眼球運動と身体筋が完全に弛緩するのが特徴である。レム睡眠ではノンレム睡眠よりも交感神経活動が高い。我々は眠りにおちる(入眠)と、ノンレム睡眠に引き続き、深いノンレム睡眠が現れる。その後、睡眠が浅くなりレム睡眠へと移行する。
ノンレム睡眠とレム睡眠は約90~110分で交互に出現する睡眠周期をつくる。明け方に向かうにつれノンレム睡眠は減少し、レム睡眠が長くなる。この睡眠周期は日間変動や個人差がある。前日の睡眠が不足するとその日の夜は深いノンレム睡眠の量が増えてぐっすり眠れる。
1日の睡眠時間は新生児で約16時間で、そのうち50%がレム睡眠だが、成長と共に減少し成人では総睡眠時間が7~8時間で約20%がレム睡眠となる。加齢につれ深いノンレム睡眠は次第に減り睡眠は浅く不安となる。
睡眠時ブラキシズムの60~80%は眠りの浅いノンレム睡眠で発生する。また、睡眠周期の後半に70%以上が発生する。(睡眠中の上下歯の接触回数が90~120分ごとに密集する)
生理学との関連でいうと、睡眠時ブラキシズムの数分前には緩やかに交感神経活動が増加し始める。その後10秒前には平均心拍数がわずかに増加し4秒前には脳波の活動が増加する。1秒前には心拍の急増や呼吸の増強が認められる。また、多くの場合、開口筋の活動が約1秒閉口筋より先行し、上下の歯が接すると歯ぎしり雑音が発生する。正常睡眠では睡眠周期が移りブラキシズムが終了すると目覚めないで深いノンレム睡眠に移行する。
通常、覚醒安静時は、咀嚼筋が一定の緊張を保ち、下顎が下顎安静位にあるので上下歯の接触がない。睡眠中には咀嚼筋を含め全身の筋が弛緩する。レム睡眠ではより咀嚼筋は弛緩する。舌や下顎は落ち込み開口となり、中咽頭空隙の狭い傾向のひとは無呼吸症候群のリスクが高まる。
一般的に、嚥下は1時間に約6~10回発生する。また、寝言や溜息・深呼吸も生じる。また、健常者の6割に食事のような顎運動が1時間に約2回程度の頻度で観察される。これらの筋活動は浅いノンレム睡眠で活動することが多い。これらは歯ぎしりを伴わない。歯ぎしりを自覚する人の顎の動きは健常者より約3倍多く上下の歯の接触回数は2~7倍多い。

4:スプリントの効果

スプリントは睡眠ブラキシズムを減少させるものではない。無呼吸症候群に対応する形態のスプリントはブラキシズムの減少にも効果があることが報告されている。いずれにせよ、咬合力の分散・咬合力からの防御としてスプリントの装着は必要といえる。

5:嗜好品や薬・ストレス・遺伝について

飲酒・喫煙・カフェインはブラキシズムを悪化させる可能性がある。中枢神経に作用する薬もその可能性を指摘されている。遺伝性もあるとの報告がある。従って、インプラントや義歯作成のさいは家族歴や過去の睡眠時ブラキシズムの有無を確認することがたいせつである。ストレスとの関連ははっきりしない。

 

睡眠サイクルと睡眠ブラキシズムとの関係について述べられたこの文献は、とりあげるに値すると思い、紹介しました。夜中に目が覚めるタイプの方は歯ぎしりしないということでしょうか?しっかりとした睡眠サイクルで良い眠りをされていると言えるかもしれません。でも、歯や顎関節を破壊しないためにもスプリントは必須であると再確認しました。スプリントは保険が効き、約七千円で作成できます。歯ぎしりを家族から指摘されている方に是非装着をおすすめします。

睡眠時ブラキシズムと補綴臨床

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(2011年3月日本歯科医師会雑誌より
馬場一美氏 馬渕あずさ氏による)

睡眠時ブラキシズムには覚醒時の最大咬合力を超えるほど大きい力を伴うものや数分にもわたって持続するものがあり、その影響は顎口腔系に破壊的に作用する可能性がある。歯の咬耗、歯根破折、冠や詰め物の破折、インプラントの脱落などトラブルにはいとまがない。その力をどう読んで対応するかが大切である。

 

1:最後臼歯や顎関節に生じる力について

臼歯にかかる力は著しく大きいことは明らかである。臼歯が欠損していると顎関節へのリスクはさらに高くなる。

2:歯が失われてもブラキシズムは続く

夜間も義歯装着をする場合、義歯が破損しやすくなる。また、夜間義歯を装着しない場合は残存歯へブラキシズムが集中し、過度に咬耗したり動揺度が増大したりする。

3:問診に関して

睡眠時ブラキシズム患者の約40%が起床時に顎の痛みや疲労を訴えたとの報告がある。逆にストレスに起因するものは、夕刻に痛みが増すといわれている。歯科医は詳細に問診することが求められる。

4:ブラキシズムは止まらない

よって、ブラキシズムによって生じる「力」を合理的に配分するために現時点で推奨されるのはスプリント療法である。具体的には、①個々の歯を保護すること、②歯列上に生じる咬合力の分布をコントロールすること、③顎関節に生じる力の分布をコントロールすることを目的として利用される。

5:歯ぎしり癖のあるインプラント装着者について

天然歯であれば歯根膜により顎骨を介して歯に伝わる力が緩和されるが、インプラントの場合にはそのような機構が存在しないため、インプラントには天然歯より大きい力が加わることになる。結果として上部構造の破折や骨吸収のリスクが高まる。文献的にもインプラント上の構造物の破折は天然歯の7倍の頻度で起こることが報告されている。

6:義歯装着患者への対応

夜間義歯を装着すべきである。普段装着している義歯をそのまま装着すると、義歯の寿命が短くなる。
夜間義歯は、それで食事をすることを目的とせず、力を歯列全体に配分することで、残存歯に力が集中するのを防ぎ、残存歯の咬耗および動揺の増大を防止することを目的とする。よって、その形態は普段の義歯と異なる。
また、食事中に使用しないため、比較的清潔を保ちやすい。

 

睡眠時のスプリントの必要性は、前出の抄録でも明らかであるが、この論文は、義歯装着患者でも、夜間義歯というかたちで、残存歯をブラキシズムから守ることを提唱していることが、八木歯科が従来推奨してきたことの論拠となり、より患者様に積極的に夜間義歯の装着を促すべきと確信しました。

治療について詳しくはこちら>>

酸蝕症 食べ物の酸が歯を溶かします

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江戸時代小説を読むと、町人が好む甘味は、お汁粉・水羊羹・飴玉・饅頭・せんべいなどが主流です。 蜜柑などの果物は貴重で高価でした。チョコレートもカステラもありません。 ましてや、アイスクリームなどの氷菓子は皆無でした。 現在の日本における甘味は、実にバラエティーに富んでいます。甘い・甘酸っぱい・甘こってり・甘香ばしい・甘しょっぱい、甘辛いなどなど。平和で暮らしが豊かになったおかげで、甘くて美味しいものが手軽に味わえるようになりました。果物の味も日本のものは品種改良が進み、世界でも最高級の濃密な味わいです。

さて、酸蝕症についてのデータが、日本歯科医師会から届きましたので、見てください。現代の日本にいて美味しいものを我慢して粗食に励めとは申しませんが、甘いもの・甘酸っぱいものを食べた後は、ブクブクうがいすることを是非、お奨めします。ちょうど、イチゴや晩柑類の出回る季節です。フルーツヨーグルトにして食べれば、かなり酸性に傾くことをゆめゆめお忘れになりませんように。

PH値7以下が酸性です。PH5.5以下の食品は、歯を溶かします。数値が低いほど歯を溶かすリスクは高まります。だらだらと摂り続けると歯を溶かすリスクは格段に高まります。また、唾液の出る量が少ない人も歯が溶けやすくなります。表は日本歯科医師会の雑誌から引用していますので、見にくいですが、かなりリアルに商品名が掲載されていますので、どうぞ、目をこらして真剣に見てください。図2に関しては、一応の参考としてご覧下さい。 なんといっても大量に摂取するのは、図1に掲載されている清涼飲料水です。

 

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ものによっては水がわりに、水より身体に必要と信じて飲んでいる人もいらっしゃるはず。
それが一番怖いですね。
下図は身体にいいはずの栄養ドリンクで、歯が溶けていることを示しています。

 

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ビスホスホネート(BP)系薬剤を 服用している患者様へ

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BP剤は骨量の増加および骨折予防効果を発揮する、骨疾患の治療薬として大いに利用されるようになってきた薬です。

わが国では経口薬と注射薬が承認されています。経口薬は主に骨粗しょう症の治療に、注射薬は主に悪性腫瘍による高カルシウム血症の治療に用いられています。

経口薬は毎日服用する薬、1週間に1度だけ服用する薬、3ヶ月ごとに2週間ずつ服用する薬がありますが投与期間は骨折予防を期待して、数年以上に及ぶこともあります。一方注射薬は投与量を調整しながら、症状が改善するまで継続されます。

優れた薬剤ではありますが、副作用のひとつに顎骨壊死があります。
加齢に伴い骨量は減少しますから、BP剤は骨折を危惧される高齢者が長期にわたり処方される頻度が高まっています。ただ困ったことに、加齢に伴い抜歯のケースも増えていきますがBP剤を服用されていますと抜歯ができません。上記のように顎骨に重篤な問題を起こしやすいからです。還暦以降は、抜歯に到らぬようきちんと歯みがきをすること、定期的に歯科検診して口腔ケアを受けることが大切です。また、すでにBP剤を服用しているが抜歯せざるをえない場合は主治医と歯科医が連携してBP剤の服用を一定期間中止する必要があります。BP系薬剤は骨に結合するため、体内からの排泄に長期間を要し、投与が終了していたとしても注意が必要なことがあります。

平成22年6月1日に厚労省から各製薬会社に対し、以下のことを喚起するために使用上の注意の改定がなされました。

① がん治療での「注射剤」に比べ発生頻度は低いものの、骨粗しょう症治療における「経口剤」についても顎骨壊死・顎骨骨髄炎が発現すること
② 投与開始にあたり、適切な時期に歯科検査、歯科処理が必要であり投与中も歯科の定期的な口腔管理が必要であること
③ BP系薬剤の使用を医師から歯科医師に告知すること 下記のパンフレットを薬と一緒にもらった方は、自分はBP剤を服用しているという認識をおもちください。

 

 

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