口をあけるのは首の筋肉

jouhou051227[1]

食物をかみくだくとき、あごの運動にともなって、側頭部が動く。
いわゆるコメカミである。
これは、下顎の骨に付いている側頭筋が、側頭部に扇状に広がり、それが伸びたり縮んだりして起こる運動である。頭蓋と下顎との骨の間には、側頭筋を含めて左右四対の咀嚼筋があるが、咀嚼運動は咀嚼筋だけで行っているのではない。これらの筋肉は口を閉じたり、下顎の骨を前後左右に動かすことができるが、口をあけるには、どうしても首の筋肉が必要である。首には、左右で八対の筋肉がある。これらの筋肉は下顎の骨を下へ引いて、口をあけるほか、食物を飲み込む嚥下という働きがある。嚥下のときには、八対の筋肉をそれぞれどう動かしたらいいだろうか。いくら考えてもわかるはずがない。これらの筋肉は随意筋ではあるが、左右別々に動かすことはできないし、個々の筋肉を別々に動かすことも不可能である。
口の中にある食物を飲み込む際、嚥下運動が起こる。食物はまず舌の上にのり、その前部によって後方に送られる。次いで、舌の後部が後下方に動いて食物はさらに後方へ運ばれる。そして、喉頭蓋が後ろへ傾いて、気管の入口をふさぐ。食物はその上を通り、咽頭粘膜を通過すると、咽頭は前上方に引かれて、今まで閉じていた食道の入口が開く。
嚥下の始まりから食道の入口が開くまで、わずか0.2~0.3秒である。口や首のまわりにあるたくさんの筋肉を、頭で考えながら動かしているだけの時間がない。そんなことをしていたら、人生は食事をするだけで終わってしまうことになるだろう。造化の神は人間の能力の限界を見越して、このように造ったとしか思えない。

 


八木のコメント

愛知学院大学教授の書いた本からの出典です。食べる、飲み込むという複雑な動きを、簡潔な文章で綴ってあり、大変感銘を受けました。
また、養老孟司氏(元東京大学解剖学教授)の「中枢は末梢の奴隷」という本の中に「噛むための装置である顎関節は爬虫類が哺乳類になってからできたもので、新しく作られたものです。この顎の関節というのは非常にいい加減で、受ける側とはまる側とに簡単な凸凹があるだけなんです。」と書かれてあるそうだ。しかしながら、その単純さが、上記の複雑な筋肉の連携された動きを可能にしていると思えるのです。ですから、筋肉のほぐしやストレッチが顎関節には非常に有効であり、凸凹の間のクッションである関節円板を長持ちさせてくれるのだと、考えるわけです。

顎関節症についての考察 2

WM様のケース

お悩み:
  • 顎を動かすと、カクカクバキッと大きな音がする
  • 口を閉じにくく痛い
  • アクビをすると、顎が痛い
  • 食事の時に大きなものが食べられない
  • 肩や首、頭の後ろがこる
マッサージ診療回数: 10月8日から10回
経過: 最初で口の開閉が少し楽になった。3回目ではっきり効果を感じた。5回目で、口を開けても音がしなくなった。つらかった肩こりも軽くなっている。体調がいいのが判るので、マッサージは継続したいと思う。


MT様のケース

お悩み:
  • 左の顎関節の雑音
  • 大きく口を開けると左右の顎が痛い
  • 口を開けるときに、下顎が左右に振れながらカタカタと開いていく
  • どこでかみ合わせていいかわからない
マッサージ診療回数: 10月22日から5回
経過: 八木歯科でのかみ合わせ治療で、ずいぶんラクになった。マッサージを受けると気持ちがいい。歯のかみあわせのことがいつも頭から離れなかったが、今では、気がつくと忘れている。

HT様のケース

お悩み:
  • 右顎関節が半年前から、時々開口しづらいし、ガクガク音が鳴る
マッサージ診療回数: 10月26日から、4、5回
経過: 2回目から口が開けやすくなり、11月には関節雑音もなくなっている。肩こりもつらいから、もっと通いたいけど、遠方なので残念。出来るだけ通いたい。歯科とマッサージは、関連があるように思う。
 

八木歯科のコメント

今回ご紹介した3名の患者様は、インターネット・ご紹介等で顎関節症の症状で来院されました。詳しく問診すると、かみ合わせの悩みの深刻さにたどり着きました。ハミガキ指導もしましたが、上達が素晴らしく、本当に歯のことにかけては一所懸命な方々で、お口の手入れについては何の問題もありません。咬み合わせに問題があることを説明してご自身に自覚していただきました。八木歯科では、咬み合わせを治して、歯の痛みは改善されましたが、顎関節の症状はそのままでした。私が針灸院でのマッサージで顎の雑音や痛みが消えて大きく口を開けられるようになったことをお話すると、私も行きたいと仰られましたので、ご紹介しました。1回の治療代が500円位でしたので、10回通っても5000円だから、とりあえず、10回は通ってくだされば、と薦めました。経過は上記の通りです。マッサージと歯科の連携はケースによっては非常に有効だと思われます。

顎関節症についての考察

jouhou051101[1]個人的な話から入ります。

八木は、いわゆる「受け口」で、なおかつ左のかみあわせが正常ではありません。そのせいで、高校生の頃から、◎顎関節がコキコキ鳴り◎大きく口をあけると耳のあたりが痛みました。20代では、◎大きく口をあけられなくなり◎肩こりがひどくなりました。40代では、◎常に左顎関節が痛く◎口をあけるとガクガクと下あごが左右に振れるようにまでなってしまいました。典型的な「顎関節症」患者です。

矯正治療も受けたのですが、今ほど進んではいない時代でしたので、異常を完治しきれず、症状が出るたびに、かみ合わせを修正したり、プレートを作って顎関節を保護してきました。「顎関節症」は病気ではありませんので、まあこんなもんか、一生折り合いつけて付き合っていこうと、慢性の左顎の痛みにも慣れっこになっていました。

ところが、「顎関節症」の症状のひとつである、肩こりが楽になったらいいなあと、なにげなく近所に最近オープンした針灸院にいきはじめたところ、なんと、3週間程、通った時点で、快癒したのです。口はすっと開きますし、痛みもすっかりなくなってしまって、こんなに楽になるなんて信じられないというか、喜びを感じる毎日です。

初診時に、私は、あまり期待もせずに、院長先生に「歯医者ですけど、顎関節症で肩が凝るんです」と申しましたところ、笑われてしまい、へこみましたが、あご、くび、あたま、かた、背なか、腰と次々マッサージが進行しストレッチで仕上げていただくと、あちこちがボキボキと鳴り、とても身体が軽くなったのです。ひょっとして、いけるかも?と真面目に通ったら、先に書いたように、長年の痛みから解放されたのです。

ウソみたいな話なので、何故楽になったのか、しっかり考えました。

刃先がこぼれた切れないハサミで無理矢理切り続けますと、とめねじが緩んでガクガクになり、力を込めないと切れないので手首や腕が痛くなりますね。

ago[1]

上下の歯を物を切るハサミとすると

かみあわせが悪い=切れないハサミ

無理矢理使うと

顎関節やられる=とめねじが緩んでガクガクになる

顎や首痛くなる=手首や腕が痛くなる


ということなのです。

八木が楽になったのは、長年痛め続けてきた筋肉をほぐしてもらったことによると思われます。かみ合わせに関わる筋肉のほぐしが利いたのです。食べる=かむ ですから、命に関わりますので無理してかむうちに、かみ合わせに関わる筋肉がやられるわけです。

耳の後ろ、頚椎まわり、ぼんのくぼをほぐすのが、効果的であるようです。

八木自身の経験をお話して、現在、3名の顎関節症の患者様に、同じ針灸院に通院していただいています。後日この経過を報告します。


歯周病は、なぜ怖い?

jouhou051005[1]

歯周病の初期は、歯を磨くと出血する、朝起きたらお口が粘つく、口臭がする程度です。
日常生活にさしつかえることがありません。
高校3年生までは、歯科検診がありますので、自覚症状がなくても、むしばや歯肉炎の早期発見が可能ですが、卒業後は、そのような機会がなくなってしまいます。
痛い!腫れる!食事が出来ない!というようなつらい症状がないと、なかなか歯科医院に行く気がしないですよね。
ただ(無料)でもないし・・・・・・・
社会人になれば、仕事、付き合い、恋愛、結婚、出産、育児、サークル、地域活動、PTA,楽しくも忙しい毎日で、あっという間に10年、20年が経ってしまいます。
おくちのなかの小さい嵐なんて、二の次三の次!
気がつけば、40歳を過ぎて、なんだか口のなかが、変???
勇気を出して歯医者に行ってみたら、歯周病と宣告されて、が~~~~ん。
後悔しきり・・・でも、歯を抜かないといけないらしい、ガリガリと歯石をとらないといけないらしい、あ~あ~。歳はとりたくないもんだ・・・・
人生が終わったような気がしてきた・・・・・・・

ここ一番!頑張るべき時に、歯の大切さに気がつくものです。
野球選手がガムを噛むのは集中力を高めるため。
格闘技選手がマウスピースを装着するのも歯のガードに加えて、噛み締めが集中力を高めてくれるからです。
スポーツ選手だけが、集中力を必要としているわけではありません。
我々も、いざとなったら、歯をくいしばって、頑張らねば。
そのために検診を心がけてくださいね!

PS
川西市在住の方へのLOVEサプライズLOVEです。
10月から、節目検診が始まります。歯周病のチェックをメインにした無料検診です。
詳しくは、川西市歯科医師会HPをご覧下さい。

よくある質問シリーズ(2)

50歳代の女性です。下の前歯の重なりが、年とともに、よりひどくなってきたようです。これは、なおるのでしょうか?なぜ、このようになるのでしょうか?友達は、上の前歯にすき間が目立ってきたようです。将来が心配です。

 

歯の移動は、

  1. 歯周病が進行して、歯を支える骨が弱ってきた
  2. 親知らずに押された
  3. 歯がないままに放置し、残った歯を無理に使って、負担をかけ過ぎた
  4. 咬み合わせが悪いことに気付かないで、よくない方向に大きな力がかかってしまった

などが、おもな原因となって起こります。
動いた歯を元に戻すのは、矯正治療しかありません。
歯の形を修正したり、セラミックなどの冠で、元の状態に近づけることも可能です。
ということで、お答えとしては、歯科医院で、原因を調べて、それに相応しい治療を受けて、悪化するのを回避したうえで、現状を修正するということですね。
簡単で短期に終わる治療ではありませんが、歯を治していく過程で、きっと身体の状態もよくなっていくことに感動されるはずです。
健康は、歯から始まる!と、歯科医は、確信しています。

jouhou0508[1]