顎関節症の治療の事情

少しピンボケですが、これは、大阪大学歯学部同窓会館です。ここで、岡山大学歯学部の矢谷教授の学術講演会が11月18日にありました。

テーマは顎関節症です。前回同じテーマで少し述べましたが今週はもう一歩踏み込んでみましょうね。

前回は、顎関節症になる前に小学校段階でチェックして予防しましょうと言いたかったんですが、今回はすでに顎関節症になった方はさてどんな治療がありますかというお話です。

顎関節症は、具体的には、口を開けるとへんな音がする、口が開きにくい、口を開けると痛いといった症状がでます。でも、なんといってもつらいのは痛みですね。



まず、顎関節症は絶対に癌に移行しません。どうぞ、ご安心を!次に、痛みのある方は大きくお口を開けたり、固い物を食べたりしないで下さい。

刺激は禁物です。そして、散歩、軽いジョギング、水泳等、適度で規則的な運動をなさって下さい。
カフェインやアルコールの飲み過ぎを避けて、充分な睡眠をとって下さい。仕事や人間関係に何かストレスはないでしょうか?心当たりがあれば、カラオケでも、ドライブでも友達との食事やおしゃべりでもなさって、ストレスを忘れて下さい。



そして、こちら歯医者ではスプリントという装置を用意します。あなたのお口の模型をとってから作ります。スプリントを夜装着していただきます。

条件が許せば、日常でも装着していただきます。そして患者さんが快適さを感じる咬み合わせをを調べます。ふっと、身体が楽になる咬み合わせを徹底的に探るわけです。身体が楽になるということは、筋肉が緊張しない位置です。

ひとそれぞれです。八木歯科はマンツーマンで対応します。はは、宣伝いれちゃった。でも、顎関節の治療は、患者さんと歯医者の二人三脚です。お互いの気心知れてないとだめですよ。あーしよう、こーしようと、試さないと、ほんとに、ひとそれぞれの治療なんです。

そんなのカッタルイと思う方には、大阪大学歯学部病院を、紹介します。紹介状あった方がスムーズに診ていただけるようです。

ひとりで悩まないで下さいね。身体のこと、歯のこと、なんでも、八木歯科にお電話なり、メールなり下さいませ。身体は大切、心も大切。とにかく、ひとりで悩まないで、一緒に考えましょうね。歯やお口のトラブルはココロが関係してること、多いんですよ。

顎関節症も要チェック!

学校歯科検診のお勉強の最終回です。

がんばりましょう!平成7年に大幅に歯科検診が変わったことは前々回に説明しましたね。その時にとりいれられたのが、顎関節の診断です。少子を大切に育てる時代になってムシバはかなり減ってきましたが、顎の痛みやかみ合わせの異常が急増してきたことに対応しています。顎関節の症状も早期に発見して、治療、対応すれば増悪化が防げるのです。

下顎は頭蓋骨に顎関節でつながっていますが、他の関節同様、ねじ止めされてるわけではありません。ですから、咬むという複雑な動きが可能なのです。でも、その咬み方が悪かったりかみ合わせがおかしいと顎関節に負担がかかり様々な症状が出てくるのです。

顎関節の調子がおかしくなると、

  1. 開口障害 顔面や関節の痛み 
  2. 顔面や関節の痛み
  3. 顎を開閉したときの雑音 
  4. 口を開閉したときの下顎の異常な動き

が出てきます。


顎関節に異常があっても小学生では症状の出ないこともあります。でも、高校生くらいになるとかなりはっきりと症状が現れます。症状がでてからではなかなかあごの歪みはなおりません。やはり小学生に段階で異常はチェックしたいものです。

では、要観察といわれたら、どのような注意をすればいいのでしょうか?

  1. よくかんでたべましょう。
  2. 左右の歯で均等にかむようにしましょう
  3. 頬杖をついたりくいしばりはやめましょう 
  4. 大きく口をあけたり固いものを無理にかんだりしないようにしましょう 
  5. かかりつけの歯医者さんに相談しましょう 
  6. 適度な運動をしましょう

ついでに GOもお勉強しよう


前回のCOの記事はよんでいただけましたか?今週ははぐきの話をします。
Gは歯ぐきを意味する英語(gingiva)の頭文字です。で、要観察の歯ぐきはGOといいます。

  1. はぐきに軽度の炎症が認められるが、健康な部分も認められる
  2. 歯垢の付着は認められるが歯石の沈着は認められない
  3. 注意深いハミガキを続けて行うことで炎症症状が消退するようなはぐき

を、指します。
学校でGOといわれたら、まず、歯医者さんに行って下さい。
治療は簡単。フクシンという歯の汚れを染め出す赤い液を歯に塗ります。そうして、どこが汚れているかを目で見てその汚れを落とす磨き方を練習するのです。もう1回言いますね。

どの部分が磨けていないかを知ること
そこの汚れを的確に落とす方法を身につけることです。

1回練習したくらいではなかなか上手にはできません。1週間に1回の通院を重ねて、おうちでも、工夫しながら磨いて、身体で覚えましょう。それが、出来るようになった頃には、きれいなピンクの歯ぐきに変わっていますよ。そして、手抜きをしなければ一生きれいな歯ぐきがお約束されます。

八木歯科では特に歯磨き指導代はいただいていません。(ちなみに他の一部の歯科医院では3000円程かかるそうです。)

しかし、一番力を入れているのが歯磨き指導です。

ムシバになりたくない方、歯槽膿漏になりたくない方はぜひ、未病のうちに、お越し下さい。一緒に二人三脚でがんばりませんか?(写真は日本学校歯科医会、歯の健康診断パネルより)

COってわかりますか?

学校から歯科検診の結果のお通知を頂いたとき、COって書かれた人は、どう思われました?COが導入されたのは平成7年度からです。日本語でいうと、要観察歯、つまり、初期のむしばを疑わせる歯なのです。

具体的にいうと、
歯の溝に、わずかだが着色があり,探針が少し入る歯の付け根や端っこに白濁や着色がある状態をいいます。

要観察歯(CO)は放置しないで適切な処置をするとむしばに進むのを防げるのです。具体的にどう処置するかといいますと、まず、歯医者さんに行って下さい。そして、ハミガキ実習を受けて下さい。無関心に行っていたハミガキを再チェックです。何回も実習なさることをお奨めします。

八木歯科では保険で指導していますので費用は、ほとんど300円以内でOKです。そして、食事のチェックを話し合いの中でいたします。飲み物、食べる順番、食事時間。じっくりお話ししながら、何が歯を悪くしたのか考えてみましょう。最後は、フッ素塗布。積極的にエナメル質の石灰化をはかります。費用は1回1000円です。

未病の段階で、予防をはかれば、診療にかかるお金と時間が大幅に少なくなることを実感できるはずですよ。(写真は日本学校歯科医会、歯の健康診断パネルより)

キシリトールを知ろう!

jouhou04a

キシリトールは平成9年5月に厚生省が食品添加物として認可した抗う蝕性甘味料です。

むしばの原因菌であるMutans菌の活性を抑え、歯の表面への菌の付着を阻止し、酸の生成をもたらしません。その上に唾液分泌をたかめて、歯の再石灰化を促します。

キシリトールはカバやブナなどの広葉樹、トウモロコシの芯から取り出されます。フィンランドのチュルクで研究されたことからチュルクシュガーとも呼ばれ、甘味度はショ糖に近く、口の中で爽快感があります。分類状は最近はいろいろな食品に利用されている糖アルコールの仲間です。

分類

  1. 強烈な甘味を有する人工甘味料:サッカリン、アスパルテームなど
  2. 糖アルコール:マルチトール、キシリトール
  3. スクロース構造異性体:パラチノールなど
  4. オリゴ糖:カップリングシュガー、パノースオリゴ糖など

代用糖の必要条件として

  1. 安全で無害
  2. 十分な甘さ
  3. 安価
  4. 熱に安定
  5. 摂取されてエネルギーとなる

の5点が挙げられますが、これまでにこの要件を完全に満たす代用糖は未だありません。

今話題のキシリトールは、スクロースとほぼ同じ甘味を有し熱に安定という長所を有するものの、大量に摂取すると下痢を誘発し価格もスクロースの10倍にもなります。
日本ではカップリングシュガーを始めとして、パラチノース、パノースオリゴ糖、マルチトールなど、多くの虫歯予防のための代用糖が開発されています。このいずれもが上記の条件を完全に満たすものではありませんが、それぞれに特有の長所を有しています。特にパラチノースは、甘味が劣るもののその他の要件は満たしており、う蝕予防をのための代用糖としてもっと利用されてもいいように思えます。

さて、キシリトールの話に戻ります。キシリトールは1~5%の濃度でmutans菌郡だけでなく、肺炎の原因菌となる咽頭部の肺炎レンサ球菌などの発育を、ある程度抑えることも試験管内の実験で明らかにされました。肺炎は、寝たきりの人達や老年者の死亡原因トップであり100年前にDr.オスラーが「肺炎は老人の友」と言っています。老人の命を狙う肺炎の病原菌は、じつは口腔・咽頭に潜んでいるのです。肺炎防止にも有効で老年者の甘い物を食べたいという強い要望にも応えられるキシリトールは彼らの健康維持に魅力的な甘味料といえます。

jouhou04b

しかし、全面的に砂糖に代えてキシリトールという訳にはいきません。なぜならキシリトールは消化管の吸収が良くなく、一度に20gもとると下痢を起こしてしまいます。これはいくら虫歯予防効果をうたっても育ち盛りの小児や青年にも勧められる代用糖とはいえません。実はそのためにチューイングガムやキャンディーにしか使えないのです。

フィンランドでの虫歯の低下をもたらしたのはキシリトールだけでなく、フッ素の組み合わせがあったからなのです。追加すれば、現在虫歯予防ワクチンの研究もされています。ワクチン1本注射したらむしばさんはいさようなら!が実用化されるようになれば、虫歯の治療を中心とした歯科医療は結核が駆逐されたように劇的に変わるでしょう。いつのこととは申せませんが・・・。  

では、虫歯予防のワクチンが実用化されるまでは、せっせと歯を磨いて、甘いものを控えて、キシリトールガムを咬んで下さいね。

●甘味の世界

炭水化物が食品に含まれる量は、水、たんぱく質、脂肪、灰分(ミネラル)を引いた重さから割り出されますが、消化吸収されない食物繊維に分けられ、糖質は分子の構造などにより大きく、でんぶん、糖類、糖アルコールに分類できます。例外もありますが糖アルコールは、エネルギーが低く虫歯になりにくい半面、果糖、麦芽糖・ショ糖などの糖類と違っておなかがゆるくなる性質(暖下性)があります。